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皆さんこんにちは!
北田工業株式会社です!
~工法の多様化~
戦後の日本では、住宅、学校、病院、工場、商業施設、集合住宅など、多くの建物が建設されました。
都市部への人口集中や経済成長によって、鉄筋コンクリート造の建物が急速に増え、防水工事業にも大きな需要が生まれます。
この時代まで、防水工事の中心的な存在だったのがアスファルト防水です。
しかし、建物の用途や形状が多様化し、工期短縮、軽量化、施工性の向上などが求められるようになると、一つの工法だけではすべての現場に対応することが難しくなりました。
そこで登場したのが、合成高分子系シート防水やウレタン塗膜防水などの新しい工法です🏢
今回は、防水工事業が「アスファルト防水を施工する仕事」から、建物に合わせて複数の工法を使い分ける仕事へ変化していった時代を振り返ります。
目次
戦後の復興と高度経済成長に伴い、日本各地で公共施設や集合住宅、オフィスビル、工場などの建設が進みました。
平らな屋上を持つ鉄筋コンクリート造の建物が増えれば、それだけ防水工事が必要な面積も増えます。
学校や団地など、同じような構造の建物を数多く建設する事業では、一定の品質を保ちながら、決められた工期内に施工することが求められました。
現場ごとに職人の感覚だけで施工するのではなく、材料や工程を標準化し、複数の作業員が同じ基準で施工する体制が重要になります。
この頃から、防水工事会社には、優れた職人を抱えるだけでなく、材料の手配、工程管理、安全管理、品質記録などを組織的に行う力が求められるようになりました📋
防水材料の多様化を象徴する工法の一つが、合成高分子系シート防水です。
日本では、1952年に旧国鉄の車両屋根へ塩化ビニル樹脂系シートが採用され、1957年には建築物の屋上でも試験施工が行われました。
その後、1960年代には加硫ゴム系、エチレン酢酸ビニル樹脂系、非加硫ゴム系など、現在のシート防水につながる材料が次々と登場しました。
シート防水は、工場で一定の厚さに製造された防水シートを現場で張り、シート同士の接合部分を処理する工法です。
現場で材料を塗り重ねて厚さをつくる工法とは異なり、製品自体の厚さが一定であることが特徴です。
広い屋上へ効率よく施工しやすく、材料によっては軽量化や工期短縮にもつながるため、さまざまな建物で採用されるようになりました。
シート防水では、シート本体だけでなく、シート同士の接合部分が非常に重要です。
広い屋上を一枚のシートだけで覆うことはできないため、複数のシートを並べ、重ね部分や端部を確実に接合します。
接着剤を使用する方法、熱や溶剤を利用する方法など、材料によって接合方法は異なります。
一見きれいに張られていても、接合部の処理が不十分であれば、その部分から水が入り込む可能性があります。
また、排水口、配管、架台、立ち上がり、屋上の角など、シートを単純に平らに張れない部分では、職人の加工技術が求められます✂️
シート防水の普及によって、防水職人には新しい材料の性質や専用工具の使い方を学ぶ必要が生まれました。
従来の工法で経験を積んだ職人であっても、新しい材料を正しく施工するためには、改めて技術を身に付けなければなりません。
もう一つ、防水工事業を大きく変えたのがウレタン塗膜防水です。
液状のウレタン防水材を下地へ塗り、硬化させることで、継ぎ目のない防水層を形成します。
日本ウレタン建材工業会の資料では、1969年に業界団体が設立され、その後、JISやJASS 8、各種仕様書への採用が進み、1989年には標準仕様化されたと説明されています。
ウレタン塗膜防水は、複雑な形状にも施工しやすいことが特徴です。
狭いベランダ、階段、配管が多い屋上、設備基礎の周囲など、シートを張りにくい場所でも、液状材料を塗ることで連続した防水層をつくれます。
改修工事では、既存の防水層や下地の状態に合わせて施工しやすいことから、採用される場面が増えていきました🎨
ウレタン塗膜防水は、液体を塗る工法であるため、一見すると簡単な作業に見えるかもしれません。
しかし、必要な防水性能を確保するためには、決められた膜厚を均一につくらなければなりません。
材料が薄すぎれば十分な耐久性を得られず、厚く塗りすぎると硬化不良や施工時間の増加につながることがあります。
平らな部分だけでなく、立ち上がりや角、排水口周辺にも必要な厚さを確保する必要があります。
さらに、下地に水分が残っている、ひび割れがある、古い塗膜が浮いているといった状態では、そのまま施工しても十分に密着しません。
清掃、研磨、ひび割れ補修、プライマー塗布など、塗る前の下地処理が仕上がりを左右します。
材料を塗る技術だけでなく、下地の状態を見極める力が重要になったのです🔍
工法が増えたことで、「どの防水工法が一番優れているのか」という質問も生まれました。
しかし、防水工法にはそれぞれ特徴があります。
広くて平らな屋上に適した工法、複雑な形状に対応しやすい工法、歩行を想定した工法、重量物や車両が通る場所に対応する工法など、建物の用途によって適切な選択は異なります。
新築か改修か、下地がコンクリートか金属か、屋上に設備が多いか、建物を使用しながら施工するかといった条件も関係します。
そのため、防水工事会社には、特定の工法を施工する技術だけでなく、現場条件を調査し、最適な工法を提案する力が求められるようになりました💡
工法の多様化は、顧客の選択肢を増やした一方で、防水工事業者に必要な知識の範囲も広げました。
戸建住宅のベランダやバルコニーなどでは、FRP防水も活用されるようになりました。
FRP防水は、液状の樹脂とガラス繊維などの補強材を組み合わせ、軽量で強度のある防水層をつくる工法です。
硬化後は継ぎ目のない層になり、耐水性や強度を必要とする場所で使用されています。
また、地下部分ではセメント系やケイ酸質系の材料が用いられるなど、屋上だけでなく、地下、浴室、厨房、プール、水槽、駐車場などへ防水工事の対象が広がりました。
防水工事業は、単に雨漏りを防ぐ仕事ではなく、さまざまな建築空間で水分の移動を制御する仕事へと発展したのです💧
高度経済成長期に建設された建物は、年月の経過とともに防水層が劣化していきました。
紫外線、温度変化、風雨、建物の動きなどの影響を受け、防水層にはひび割れ、膨れ、浮き、剥がれなどが発生します。
その結果、新しい建物に防水層をつくる新築工事だけでなく、既存の防水層を補修・更新する改修工事が増えていきました。
新築工事では、きれいな下地へ計画どおり施工できます。
一方、改修工事では、既存防水層の種類や劣化状態、下地に含まれる水分、雨漏りの原因などを確認しなければなりません。
既存防水層をすべて撤去するのか、残したまま上から施工するのかによっても、工期や費用、建物への負担が変わります。
改修工事の増加によって、防水職人には「施工する力」に加え、「調査して判断する力」が求められるようになりました🧰
アスファルト防水、シート防水、ウレタン塗膜防水、FRP防水など、時代とともにさまざまな工法が普及しました。
しかし、どの工法でも共通する基本があります。
下地を整えること、材料の使用条件を守ること、端部や接合部を丁寧に処理すること、排水を妨げないこと、施工中に水を入れないことです。
新しい材料が登場しても、基本を省略すれば長期的な性能は期待できません。
工法の多様化によって、防水職人の仕事が簡単になったわけではなく、むしろ覚えるべき知識や技術が増えたといえるでしょう📚
戦後の建設需要の拡大により、防水工事業は大きく成長しました。
従来のアスファルト防水に加え、シート防水、ウレタン塗膜防水、FRP防水などが登場し、建物の用途や形状に合わせて工法を選べる時代になりました。
工法が増えたことで、防水工事会社には幅広い材料知識、施工技術、提案力が必要になりました。
また、高度経済成長期に建設された建物の老朽化に伴い、新築工事中心だった仕事は、既存建物を守る改修工事へと広がっていきます🔧
防水工事業は、新しい建物を完成させるための仕事から、完成した建物を長く使い続けるための仕事へと、その役割を変化させていったのです。